[送料無料]　部落問題論　和田鶴蔵　中村拡三　共編　学術図書出版社

シミ、汚れ、ヤケ、一部変色あり
カバーなし
ページ内書き込み無く良好


まえがき

本書は、部落(同和)問題をまとめた大学の教科書である。大学の教科書といっても、教職課程のように教育問題に しぼるものもあるが、本書はその基礎ともいうべき一般教育を対象にしている。

本書が生まれる契機となったのは、近畿大学の「同和教育研究会」の活動である。この研究会では多くの幅広い討 議が交わされてきたが、何かといえば授業のことが問題になった。何を講義し、何を研究するのか。大学生として基 本的におさえることは何なのか。今日の内外情勢のもとで、何を学ばなくてはならないのか等々であり、ときには資 料研究や教科書の選定にも及んでいる。しかし、何はともあれ、これまでの研究をふまえて教科書を編集しようとい うことになったのである。一般教育・教職課程に加えて、通信教育が開講されることもひとつの契機になっている。 本書の構成は、大きく分けて二部になっている。本論と資料である。ぼう大な部落(同和)問題を一定の論理で展開 するには、個々の重要な事実でも一部しか紹介できない。本論とは別に、資料としてかためたかったのである。本論 は、序論に相当する「部落(同和)問題の学習にあたって」からはじまる。つづいて「被差別部落の現状」「部落の前

史古代・中世の賤民」「被差別部落の歴史」「部落解放運動の展開」「部落解放の対策」をのべ、まとめとして「人 権確立と国民的課題」をあげている。一般教育としては、こうした内容ではないか、というのが私たちの討議の結論

である。

もとより、部落(同和) 問題の学習・研究は、本を読み、講義を聞くだけでは不十分である。認識と同時に行動が要・・・