☆朽ちていった命ー被曝治療83日間の記録ーNHK東海村臨界事故☆緊急速報でした。当時を知らない方、まだ原子力発電所が爆発する前のお話☆

「朽ちていった命―被曝治療83日間の記録」新潮文庫
NHK「東海村臨界事故」取材班編になります。

私は大量の放射線が人間にもたらすものについて、
わかったつもりになっていた。そのわかったつもりを
打ち砕かれたのが、本書によってだった。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　柳田邦男

●1999年9月に起きた茨城県東海村での臨界事故あなたは何をしていましたか。。。

核燃料の加工作業中に大量の放射線を浴びた患者の命を救うべく、83日間にわたる壮絶な闘いがはじまった。
「生命の設計図」である染色体が砕け散り、再生することなく次第に朽ちていく人体。

最新医学を駆使し、懸命に前例のない治療を続ける医療スタッフの苦悩。
人知及ばぬ放射線の恐ろしさを改めて問いかける、渾身のドキュメントになります。

核、被爆、原爆、放射能、色々な言葉が新聞をに飛び交っています、
これらの言葉についてどれだけあなたは知っていますか？

臨界に達し「チェレンコフの光」を浴びた中性子被曝の場合、
爆発や熱風はないけれども、言葉は悪いかもしれませんが、
人体は数ヶ月かけて徐々に「朽ちて」いきます。

被爆した作業員は普通のサラリーマンでした。

家族と普通に会話をし、被爆してからの「ちょっとした入院で済むのでは？」という感覚だったのかもしれません。。。
しかしながら徐々に状況は悪化します。
●その状況を医師、看護士の医療記録やNHK取材班の取材記録、顕微鏡写真などで克明にたどっていきます。

●行間を読むことができないといけない、深い本かもしれません。
●広島や長崎で起こった記録ではなく、携帯電話やパソコンが普及していた、日本で起こった事実です。

●被曝はここまで恐ろしいものなのかと思い知らされました。

被爆者を前にし83日闘い続けた医者たちのリアルな葛藤、
本で読んでいるだけの私もその場にいるような気分にさせてれます。

福島第一原子力発電所では事態収拾作業が続けられています。
今日も福島では影響が出るレベルで作業されている方々がいることを私たちは想像しないといけないと思うとともに、
東日本大震災と福島第一原発事故は分けて考えないといけないと思いました。

医師、看護師の葛藤、、、何より本人、家族がかわいそうでした。。
●それでも科学技術の進歩は大切なのでしょうか。。。一緒に考えましょう。

このような事故を風化させないためにも、ぜひ読んでみてください。

新潮文庫
著者：NHK「東海村臨界事故」取材班
ｐ。２２０ページ
定価：４３８円
平成２３年５月２０日第１２刷

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