加賀前田家伝来『葵紋崩・時計紋(烈公)水戸藩主徳川斉昭』正真国立博物館特別貴重刀剣 現存僅少大傑作名刀 徳川斉昭(烈公)・佐藤寒山鞘書

加賀前田家伝来『葵紋崩・時計紋(烈公)水戸藩主徳川斉昭』正真国立博物館特別貴重刀剣認定書 現存僅少大傑作名刀 徳川斉昭(烈公)・佐藤寒山鞘書


徳川斉昭は、水戸藩の九代目藩主。最後の将軍徳川慶喜の実父でもあります。
寛政十二年に水戸藩七代目藩主徳川治紀の三男として江戸にて生まれる。初めは父より
偏諱を受けて松平紀教と称します。藩主就任後は将軍徳川家斉より偏諱を受けて徳川斉昭と名乗ります。
良く知られる烈公という名は死後、貴人に贈られる諡号です。藩政改革に成功した幕末を代表する名君の
一人でしたが、将軍継嗣争いで大老井伊直弼との政争に敗れて蟄居となり、そのまま没しました。
多才な斉昭でしたが水戸藩のお抱え鍛冶を相手として作刀を天保三、四年あたりから行い、
八雲鍛という新作風を生み出しました。その作品は豪壮にして優雅さのあるもので、銘の代わりとして
葵紋を崩した「葵紋崩」もしくは時計のようにも見えるので「時計紋」とも呼ばれます。
この刀は鎬造、庵棟、身幅広く、元先の幅差が少しつき、重ね厚く、反りやや深くついて、
切先は中切先となっています。新々刀、幕末らしい豪壮な刀姿をしていると思います。
鍛えは板目肌に流れ肌や大肌が交じり八雲鍛えとなり、地沸が微塵について、地景が
よく入って、烈公独特の美しく抜群の鍛えになっていると思います。
刃文は直刃調に浅いのたれをおびて、小足が入り、小沸よくついて、細かに金筋や
砂流しかかり、刃が明るく冴えています。帽子は掃きかけて返っています。
茎には銘の代わりに葵紋崩、いわゆる烈公の時計紋が刻まれています。
若干の古研ぎですが鑑賞の際に大きな妨げになるようなものは
ありませんので改めて研ぎ直す必要はないと思います。
国立博物館時代の特別貴重刀剣が付属しています。証書は御刀と共に協会に
持参確認済となっています。上野の国立博物館時代の審査は刀剣ブーム以前であり、
審査数がまだ少なかった為、非常に厳しい審査であった事が知られています。鞘書は
表に烈公の筆で加賀宰相斉泰殿之御品　天保十三年壬寅之夏　斉昭拙作花押と書かれています。
斉泰殿とは加賀藩の第12代藩主であった前田斉泰の事になります。
刀剣界の大恩人であり新刀研究の権威であった佐藤寒山の鞘書があります。
こちらには加賀前田家伝来とあります。烈公は自身の作を諸侯などに贈っております。
烈公は作刀の才に恵まれており品質は極めて高く作品は名刀となっております。
慰み打ち（天皇や藩主などの高貴な人物による作品）という性質上、現存する作は大変に希少です。
幕末を代表する名品と評せる一振りだと思います。

長さ/65.6㎝　反り/1.8㎝
元幅/33.7mm 元重/7.2mm 先幅/22.8mm 先重/5.8mm　刀身のみの重量790g
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